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債務整理は生命保険に影響するのか?返戻金が関係する手続きも・・・

毎月の収入の中だけで常にやりくりすることができれば問題はありません。ですが、当たり前の生活を送っていても、急な出費は避けることができません。長く続いた経済不安の影響から、そんな出費に対応できるだけの蓄えを持つこともできないという方も多いでしょう。

そんな方にとって心強い味方となってくれるのが、消費者金融や銀行のキャッシングやカードローンです。近年では、申し込みをしてほんの30分程度で借入ができるといったサービスを展開している業者も登場しており、とても利用しやすくなっています。
しかし、一方でその返済に苦しめられる方も増えているといわれます。そんな借金問題解決のための手段のひとつが債務整理。

ここではそんな債務整理を行う際の生命保険の取り扱いについてお話したいと思います。

生命保険は大きく分けて2種類

大きな病気やケガ、事故などに備えて生命保険に加入しているという方も多いでしょう。すぐに利用することはなくても、加入しているだけで安心感を持って生活を送ることができます。
今日では高額医療費制度などの整備が進められているとはいえ、やはり将来的なリスクを考えるとやはり生命保険には入っておきたいという方が多いでしょう。

そんな生命保険ですが、大きく分けて2種類のものがありません。債務整理との関係についてお話する前に、まずはそれぞれの特徴についてご紹介しましょう。

・掛け捨て型

こちらはその名の通り、毎月保険料を支払うことによって病気や事故などによって治療が必要になったり、死亡時に一定額が給付されるというもの。単に生命保険というと、こちらをイメージする方が多いのではないでしょうか?
もし、加入期間中に給付金が支給される条件を満たさなかった場合、掛け金が戻ってくることはありません。
その代わりに、毎月の掛け金が低いのが特徴で、毎月2,000円程度から加入することが可能です。

極端にいってしまうと、病気にならなければお金が戻ってくることはありませんので、最終的には損をしてしまう可能性が高いというデメリットがあります。
「安心を安い掛け金で買う」と考える必要があるでしょう。

・積み立て型

一方の積み立て型の生命保険は、定期預金のように毎月支払った掛け金が最終的には戻ってくるタイプのものです。
簡単に言ってしまえば、定期預金に保健機能がついているようなものです。返戻率の高い保険の場合、かなりの利息がついて戻ってくることになります。
満期までの期間も10~30年といった形で自分で決めることができますので、学資保険のような形で加入している方も少なくありません。

ただし、途中で解約してしまった場合、元本割れを起こすことになりますので注意が必要。もし、保険料の支払いができなくなってしまった、といった理由で解約した場合、最終的に戻ってくるのはこれまでに支払ってきた額の70~80%程度になります。

このように、デメリットはありますが満期まで継続すれば必ずプラスになって掛け金が戻ってきますので、積み立て型生命保険は高い人気を集めています。

債務整理すると生命保険は解約しなければいけないのか

よく「債務整理をすると生命保険を解約しなければいけない」といわれます。それは本当なのでしょうか?
結論からいってしまうと、生命保険のタイプによっては解約しなければならないケースがあります。

上記の分類でいうと、積み立て型の生命保険の場合、上記の通り解約すると返戻金がありますので、それが財産とみなされることがあるのです。具体的には、返戻金が20万円を超える場合は手続きの中で解約が求められることがあります。

とはいっても、積み立て型の生命保険であっても解約しなくてもいいケースがあります。
債務整理にもいくつかの種類があり、その中でも任意整理であれば解約を強制されることはありません。
任意整理の場合、すべての債務ではなく、その中から任意に選んで整理することができますし、あくまで債権者との交渉ですので、そもそも生命保険に加入していることが知られてしまうことすらないのです。

とはいっても、積み立て型の生命保険は財産でもありますので、可能なのであれば解約してでも返済に充てた方が結果的にはいいかもしれません。その点も踏まえた上で、現時点でどのくらいの返戻金があるのかを確認しておきましょう。

もちろん、掛け捨てタイプの生命保険の場合は解約する必要はありません。

個人再生では生命保険の返戻金が清算価値に含まれる

それでは、具体的に債務整理の種類に応じて考えてみましょう。

任意整理の場合は先ほどもお話しました通り、生命保険の解約を強制されることはありません。あくまで自分の意思で決めることになります。

それでは個人再生の場合はどうなのでしょう?
裁判所に申し立てを行って、借金の一部を3年間で返済する代わりに残りの返済が免除されるというもの。その際に財産が返済に充てなければなりません。もちろん、生命保険の返戻金も例外ではありません。
まだ加入してそれほど期間がたっておらず、返戻金が極端に少ない場合を除いて、基本的には解約して返戻金を借金の清算に充てる必要があります。

つまり、個人再生の場合、生命保険を解約しなければならない可能性は極めて高いといえます。

自己破産では解約を要求されることがある

続いては債務整理でも最後の手段となる自己破産。
裁判所に破産の申し立てをし、免責を受け、財産を整理するかわりに借金は免除されます。デメリットもとても大きいことから、他の債務整理ではどうしようもない場合に選ぶ選択肢です。

この自己破産の場合も、裁判所から生命保険の解約を求められることがあります。先ほども少し触れましたが返戻金が20万円を超える場合は、基本的に解約しなければならないと考えた方がいいでしょう。

一部例外もありますが、自己破産の場合、積み立て型の生命保険は失ってしまうことを覚悟すべきです。

債務整理後に生命保険には加入できるのか

では、債務整理を行った後に再び生命保険に加入することはできるのでしょうか?

債務整理を行うと、一定期間の間記録が残りますので、金融サービスの利用にはかなりの制限がかかることになります。
キャッシングはもちろんのこと、ショッピングローンやクレジットカードも一定期間は新規に契約することができなくなってしまうことは広く知られているでしょう。

では、生命保険はどうなのでしょう?

生命保険加入時には審査を受けることになりますが、その項目に「債務」はありません。また、生命保険会社は個人信用情報機関のネットワークにも入っていません。そのため、ブラック入りしていたとしても、そもそもそれを知る術もなく、当然審査に影響することもないのです。
そもそも、生命保険の掛け金を支払うことができなければ数ヶ月で失効することになるだけで、保険会社に損害はないことから、債務の面について審査する必要もありません。

つまり、債務整理中であっても、債務整理後でも、生命保険の加入については可能です。もちろん、掛け捨て型、積み立て型のどちらへでも加入できます。 できない場合、自己破産という解決策を選択することになります。持ち家などを含む財産を処分しなければならず、デメリットも少なくありませんが、代わりに基本的に借金の返済は全額免除されます。

まとめ

積み立て型生命保険の場合、債務整理を行うことによって解約し、その返戻金を返済に充てなければならないケースがあります。
ただし、任意整理の場合は強制されることはありませんし、整理後に生命保険に再び加入することも可能です。

生命保険は、安心して生活を送る上でとても重要なものです。どうしても債務整理中でも必要なのであれば、影響のない掛け捨て型のものに一時的に加入することも視野に入れておくようにしましょう。
そうすることによって、債務整理中であっても安心して生活を送ることができるでしょう。