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自営業者が債務整理するとどうなる?

昔と比較すると、現代では働き方がかなり多様化しています。一昔前であれば、社会で働く手段として、どこかに就職するという形が一般的で、それが当然だと考えていたという方も多いでしょう。しかし、今日ではネットの普及などによって、自分自身でビジネスをするという方も多くなっています。
しかし、自営業者の場合も、やはり借金を抱えることになれば返済が難しくなってしまうというリスクがあります。突然仕事がうまくいかなくなってしまい、収入が減り、借金の返済が困難になってしまうというケースも少なくありません。

では、自営業者も借金問題を解決するために任意整理をすることは可能なのでしょうか?

今回は自営業者の任意整理についてお話したいと思います。

自営業者でも任意整理できる

まずは債務整理の中でも任意整理のケースについて考えてみましょう。基本的に、任意整理を行う上で、職業の制限などはありません。そのため、自営業者であっても当然任意整理を行うことができます。
しかし、任意整理を成立させるためにはいくつかの条件があります。その中でも特にネックになりやすいのが、借金の元本を原則として5年間ですべて返済しなければならないという点です。
というのも、任意整理はもともと少額の借金問題を解決ための手段ですので、長期にわたる返済は基本的にできないのです。

もちろん、5年間で返済することのできる額であればまったく問題はありません。ですが、借金の額に対して収入が少ない場合などは、任意整理を行うことができないこともあるのです。

特に自営業者の場合、一般的な会社員などと比較すると収入が不安定になってしまいがちです。
そのため、返済能力が低いとみなされて、結果として債権者と和解することができないというケースもあるのです。

とはいえ、交渉に成功して和解することができれば、将来利息の免除や、返済計画の立て直しといった任意整理ならではの恩恵を受けることができます。

また、任意整理の場合は財産を保有しながら行うことができますので、もし、お店などの財産を保有している場合も、これを処分する必要はありません。

いずれにしても、一般的な会社員などと比較すると、自営業者の場合少しだけ任意整理のハードルが高くなってしまうことは否めません。
なので、ある程度の実績があって、信頼することのできる司法書士や弁護士に相談・依頼して手続きを進めるようにしましょう。そうすることによって、任意整理に成功する確率を上げることができます。

自営業者が個人再生をするとどうなる?

続いては個人再生について考えてみましょう。
個人再生は借金の額にもよりますが、最大で5分の1まで圧縮することのできる制度であり、返済額の面でかんがえるとかなりメリットの多い手段といえます。
その分、手続きが複雑で、解決までに時間がかかってしまうというケースも少なくありません。

では、自営業者もこの個人再生を行うことはできるのでしょうか?
もちろん、個人再生の申し立てをすることが可能です。しかし、自営業者ならではのデメリットも少なくありません。
まず、返済額が増えてしまう可能性があるという点です。個人再生の場合、保有している財産の額によって、返済額の圧縮率が下がってしまうという特徴があります。
例えば、自営業者の場合売掛金があるケースもあるでしょう。これも財産に含まれることになりますので、手元に現金がないにも関わらず、返済額が増えてしまうことになるのです。

その結果、再生計画が立てにくくなったり、計画通りの返済が難しくなってしまうというケースも少なくありません。

また、個人事業者の場合、給与所得者等再生を行うことはできません。こちらの場合、通常の個人再生よりも大きな減額と長期分割が可能となるケースもあり、メリットも少なくありません。しかし、この制度はあくまで給与所得者を対象としていますので、個人事業主の場合は行えないのです。

このように、個人事業主であっても個人再生を行うことは可能ですが、注意しなければならない点も多く、一般的な会社員の場合と比較すると、デメリットも少なくありませんので、しっかりと司法書士や弁護士といった専門家と相談した上で、個人再生を選ぶべきかを決める必要があります。

自営業者が自己破産するとどうなる?

最後は自己破産の場合です。
自己破産には職種などの制限はありませんので、自営業者であっても返済不能状態であると認められれば自己破産を行うことができます。

ただし、自営業者ならではのデメリットはやはりあります。自己破産を申請した時点で、売掛金が20万円以上あるばあい、管財事件扱いとなりますので、その売掛金を回収して、債権者に配当する必要があるのです。
また、管財事件扱いになると、管財予約金も支払わなければならなくなってしまいますので、手続きに手間やコストがかかることになるのです。
その結果として、手続きが長引いてしまうことになるのです。

自己破産の手続き中は、一部の職業や資格が制限されることになります。自営業の場合、職種によっては、この制限によって仕事ができなくなってしまうというケースもありますので注意しましょう。
もちろん、手続きがすべて終われば、この制限は解除されますが、上記の通り自営業者の自己破産の場合、手続きに時間がかかってしまうケースも多いことから、それだけダメージが大きくなってしまう可能性もあります。

売掛金があると少し複雑

個人再生や、自己破産の話の際にも触れましたが、自営業者が債務整理をする場合、売掛金がネックになってしまうというケースが多いのです。
多くの売掛金があるということは、それだけ売上げがあることを意味しますが、回収前の段階であっても財産扱いとなってしまうのです。

そのため、売掛金をできるだけ早く回収しなければなりません。それが大きな手間になってしまうケースもあります。
また、売掛金をすぐに回収することができない場合も、やはり財産であることには変わりありませんので、個人再生や自己破産においては大きく影響してしまうことになるのです。

そこで、自営業者で個人再生や自己破産を検討しているのであれば、可能な限り、売掛金の回収や整理をしておく必要があるといえるでしょう。

債務整理すると闇金に狙われる

債務整理をすることのデメリットとして、闇金に狙われやすくなってしまうという点が挙げられます。
通常、多重債務やブラックリストに入ったとしても、それが闇金などに知られることはありません。しかし、個人再生や自己破産を行った場合、氏名や住所が政府が発行する機関誌である官報に掲載されてしまうのです。
これによって、闇金業者に債務整理を行ったことを知られて、しつこい勧誘を受けることになるというケースも少なくありません。

債務整理を行い、他からお金を借りることができないことから、こういった勧誘に乗り、被害に遭ってしまうというケースも少なくありませんので、十分に注意しましょう。

まとめ

もちろん自営業者であっても債務整理によって借金問題を解決することは可能です。しかし、自営業者ならではのデメリットや注意点も少なくありませんので、ここでご紹介したポイントをしっかりと頭に入れた上で、司法書士や弁護士に相談し、手続きを進めるようにしましょう。特に、売掛金のある場合は、手続きが複雑になってしまったり。返済しなければならない額が増えてしまうケースもありますので、注意するようにしましょう。
また、債務整理を行うと、ブラックリストに入ることから5~10年は新たに借金をすることはできません。だからといって、絶対に闇金の勧誘には乗らないようにしてください。