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法人でも債務整理は可能!!メリットとデメリットは?

債務整理は借金による悩みやトラブルを解決するための手段のひとつです。近年では、この制度の存在も広く知られるようになりました。また、昔と違ってネガティブなイメージを少なくなっていますので、この方法によって借金問題を解決することができた!という声もかなり聞かれるようになりました。

債務整理というと、個人レベルの借金問題を解決するためのというイメージを抱いている方も多いようです。しかし、法人として借金問題に苦しんでいるという事業者の方も多いかと思います。
特に、近年では昔と違って企業のハードルもかなり低くなっており、脱サラをして法人を立ち上げ、自分でビジネスをはじめるという方が増えています。

では、法人としての債務整理はどういったものなのでしょうか?

法人の借金は個人と性質が異なる

法人であっても個人であっても借金はすべて同じもの…そう考えている方も多いかもしれません。
しかし、性質はやや異なっています。第一に、借入の名義の問題です。個人での借金の場合、当然、債務者はお金を借りた本人となります。
それに対して、法人の借金の名義は、手続きをした本人ではなく、あくまで法人です。もちろん、法人の借金に対して代表者や社員が連帯保証人となるケースは多いですが、あくまでも主債務者は個人ではなく法人となります。

そのため、原則としては法人が多額の借金を背負い、破産することになったとしても原則として代表者や取締役、役員が法的な責任を負うことはありません。
あくまで、法人と個人は別人格なのです。そのため財産、債務ともに法人と個人は切り離して考えられることになるのです。

もちろん、先ほども少し触れました通り、法人として借入をする際に代表者などが連帯保証人となるケースが多いのも事実です。中小企業が借り入れをする場合は、代表者の連帯保証を付けられることが一般的となっています。金額や事情によっては、代表者以外の役員、取締役も連帯保証人となる必要があるケースも。そうなれば、完全に法人と個人の借金を切り離すことはできなくなってしまう、という点については頭に入れておく必要があるでしょう。

法人を任意整理した時のメリット

それでは具体的に法人の債務整理について具体的に考えてみましょう。法人の場合も、個人のケースと同じように任意整理を行うことができます。
整理する債務を選択することができ、返済計画を立て直すことができるという点は、それぞれに共通するメリットです。

では、法人ならではのメリットとしてはどんなものがあるのでしょうか?

法人の債務整理というと、会社を清算してしまう…いわば倒産などをイメージする方が多いかもしれません。
しかし、法人の任意整理には今後も法人を継続し、再建することを目的として「再建型任意整理」と、法人を畳むことを前提とした「清算型任意整理」があります。
前者の場合、債務整理をしたからといって会社がなくなるわけではありません。借金を整理し、返済計画を立て直すことによって、法人の再建を進めることができるのです。これも、法人として任意整理をすることの大きなメリットといえるでしょう。
もう一方の清算型任意整理の場合も、法人を畳むことが前提であれば、法人財産の清算、配当といった手続きを行うことができますので、スムーズに借金をコンパクトにすることができるでしょう。

法人を債務整理した時のデメリット

もちろん、デメリットもないわけではありません。法人での借金を整理する場合、債権者が多数にのぼるケースも多いでしょう。
債務整理は裁判所を通さず、基本的には債務者(または司法書士や弁護士などの代理人)と債権者の交渉にとって借金問題を解決する手段です。そのため、債権者の数が多ければ、それだけ手続きは複雑になりますし、解決までに時間がかかってしまうというケースも少なくないのです。

特に、再建型任意整理の場合、最終的には法人を立て直さなければなりません。それなのに解決までに長い時間がかかってしまうと、資金繰りなどで不利になってしまい、経営が難しくなる可能性もあるのです。
また、これは個人の場合と同じなのですが、任意整理では借金の元本の減額は望めません。もちろん、交渉次第では利息などの一部減額は可能ですが、根本的な借金を減らすことはできないのです。
そのため、最終的に返済することが困難な額の借金である場合、任意整理を行うこと自体ができないのです。

このように、デメリットも決してないわけではありません。個人のケースと比較すると、そのデメリットが大きくなってしまうケースもありますので、法人の債務整理の方法は慎重に検討する必要があるのです。

個人再生はできない

個人での債務整理で、借金の額が大きく全額の返済が困難な場合の選択肢として有効な個人再生ですが、基本的に法人の場合は行うことができません。
基本的に個人の借金問題を解決するための手段ですので、それも当然のことといえるでしょう。

しかし、法人が破産したことによって、連帯保証人であった代表者などが個人再生を行うことはできます。
とはいっても、個人再生の場合、借金は減額されますがそれを3年間で返済する必要があります。そして、その継続した支払いが可能であるかどうかの判断を裁判所で行うことになります。法人が破産した場合、代表者は失職して収入がない状況となる可能性が高いことから、認められないケースが多いのです。
そのため、法人を破産させて、連帯保証人の代表者が個人再生をする場合、早急に安定した収入を確保する必要があります。

自己破産は経営者も同時にすることが多い

上記の通り、会社破産後に連帯保証人となっている経営者が個人再生を行うという手段は不可能ではないものの、認められないというケースも少なくありません。
そのため、法人の破産と同時に、経営者も自己破産をするというケースが多くなります。

もちろん、法人、個人とも自己破産をすれば法人としての財産も、個人としての財産も失うことになってしまいます。もちろん、事前に財産の任意売却を行い、当面の政活費を確保するといった手段はありますが、多くの財産を所有している場合、ダメージはかなり大きなものとなってしまうでしょう。

しかし、自己破産をすることによって法人として多額の借金を背負っている場合も、きれいに清算することができますので、新たなスタートを切りやすくなるはずです。

よく、破産をすると「人生が終わる」なんていわれることもあり、あまり良いイメージがないという方も多いかもしれません。
ですが、自己破産を含む債務整理は、決して人生を終わらせるためのものではありません。これまでの借金をしっかりと清算した上で、これからの人生を立て直すための手段なのです。

破産だけは避けたいと、無理な状態で法人を維持したり、借金から逃げ回っていると、ますます借金は膨らみ、人生の貴重な時間を無駄にしてしまうことになります。
なので、法人であっても個人であっても、借金の返済が困難になった時点ですぐに司法書士や弁護士などの専門家に相談をした上で、取るべき手段を決めてください。

まとめ

債務整理は個人のためのもの…そんなイメージがもたれがちですが、法人の借金を解決するための手段でもあります。
もし、法人の借金が原因で苦しんでいるのであれば、債務整理という選択肢があること思い出してください。
もちろん、ここでご紹介した通り、デメリットもありますが、人生を立て直すためには必要なことです。一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。