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債務整理すると学資保険は解約する必要があるの?

債務整理を行うことによって、積み立て型の生命保険を解約しなければならないケースがあります。積み立て型の場合、解約することによって返戻金を受け取ることができるため、その額が20万円以上になる場合、自己破産などを行う際に解約し、債権者に分配されることになるのです。
そのため、手続きを開始する前に解約をするといった対策が必要となります。

では、学資保険の場合はどうなのでしょうか?やはり債務整理をすることによって解約しなければならないケースもあるのでしょうか?

今回はそんな学資保険と債務整理の関係についてお話したいと思います。

学資保険とは?

債務整理との関係についてお話する前に、まずは学資保険とはどんなものなのかをしっかりと整理しておきましょう。

今日では子供の教育にもかなりのお金がかかるものです。最終的に大学まで進学するとなればその額はかなりのものとなります。
たとえば、平成24年の文部科学省による調査によると中学生でも私立に通うとなれば総額で130万円近くがかかるとされています。高校でもやはり私立では100万円近くが、そして私立大学でもやはり平均して130万円以上がかかります。
中学生から大学生まででも、全て私立だと仮定して合計すると360万円以上のお金がかかることになります。

収入によっても変わってくるかと思いますが、これは決して安いとはいえません。場合によってはこの支払いが困難なケースもあるでしょう。
また、この数字はあくまで平均的な額で、学校の選び方によってはそれ以上の学費がかかるというケースもあります。

そんな子供の学費に備えて加入するのが学資保険。特にお金が必要となる小学校、中学校、高校、大学に入学するタイミングである程度のまとまった額を受け取ることができるようになっているものがほとんどです。
もちろん、給付のタイミングを自由に選ぶことのできる学資保険も少なくありませんので、教育の計画に応じて、利用することも可能です。

学資保険のシステムとしては、基本的には積み立て型の生命保険と同様で、保険機能のついた定期預金的な意味合いを持っています。
商品によっては、最終的に受け取ることのできる額が掛け金よりも高いケースもありますので、人気があります。

ただし、保障が充実している商品の場合、毎月の掛け金がかなり高くなってしまうケースもあります。
そこに多重債務などが重なると、支払いが困難になってしまう可能性があります。

そんな学資保険ですが、債務整理する場合の扱いはどうなるのでしょうか?

任意整理であれば解約する必要なし

上記の通り、学資保険も積み立て型の生命保険に近い色合いを持っています。そのため、当然解約すれば返戻金を受け取ることができます。もちろん、途中解約すれば元本割れをすることになりますが、返戻金が20万円以上の場合は、債務整理の際に財産として取り扱われることになります。

しかし、任意整理であれば財産を処分する必要はありません。最終的には、少なくとも借金の元本はすべて返済することになりますので、財産を清算する必要はないのです。

もちろん、3~5年間で借金の元本をすべて返済する必要がありますし、裁判所を介した手続きではなく、債権者に応じる義務はありません。そのため和解できないケースもありますが、デメリットが少なく、メリットの多い債務整理の方法のひとつです。債務整理を考える際に、まっさきに挙げられる候補でもあります。

ただし、学資保険も掛け金の支払いをすることができなければ、契約を継続することはできません。一般的に数ヶ月で解約されることになってしまいます。
そのため、任意整理における返済計画を立てる際には、学資保険の掛け金を支払い続けることも考えなければなりません。
もし、それが難しい場合、当然優先すべきは計画通りの返済ですので、任意で解約することも視野に入れる必要があります。

個人再生であれば解約の可能性もあり

個人再生も財産を保持しながら行うことのできる債務整理に手段のひとつ。最大で借金の額を5分の1まで圧縮することができますので、かなりメリットの多い借金解決の手段となります。

では、個人再生の場合も学資保険を解約する必要はないのでしょうか?

個人再生を行う場合、学資保険を解約しなければならないケースもあります。個人再生の最低返済額は、保持している財産によって決められるケースがあります。
手続きを開始した時点で保有している財産の清算価値が、定められている最低返済額(通常は借金総額の5分の1)を超えている場合、その財産の額を返済しなければならないのです。

そのため、学資保険を解約することによる返戻金が高額な場合、解約して返済に充てなければならない可能性があるのです。

もちろん、解約が強制されるわけではありませんが、個人再生を行う場合は、財産の清算価値についてもしっかりと考えるようにしましょう。

自己破産であれば解約は必須

続いては自己破産のケースです。
基本的に、自己破産を行う場合は、20万円以上の価値のある財産はすべて処分することになります。
もちろん、学資保険も例外ではありません。解約することによって得られる返戻金が20万円を超える場合、解約することになります。
一般的に、加入してからある程度の期間が経過している場合、返戻金は20万円を超えることになりますので、学資保険の解約を免れることはできないと考えていいでしょう。

そのため、自己破産の手続きをする前に任意で解約してしまうという方も少なくありません。
自己破産を行うと、原則としてすべての財産を清算する必要がありますが、現金は99万円まで所持することが可能となっています。これは、自己破産後の最低限の生活を維持するためです。1ヶ月に必要な生活費は33万円と定められていますので、その3ヶ月分にあたります。
この現金の確保のために、学資保険を解約するのもひとつの選択肢なのです。

現実には学資保険を維持しながらの債務整理は難しい?

前述の通り、原則として任意整理や個人再生であれば、学資保険を強制的に解約されるようなことはありません。あくまで、その選択は任意です。
とはいっても、個人再生の場合は学資保険の清算価値が高い場合、返済しなければならない額が大きくなってしまうというデメリットがあります。
また、任意再生においても、最低でも借金の元本はすべて返済しなければなりませんので、学資保険の維持が難しくなってしまうケースも多いのです。

そのため、絶対に解約しなければならないというわけではありませんが、現実には学資保険を維持しながら債務整理を行うことは難しいと考えた方がいいかもしれません。

とはいっても、絶対に不可能というわけではありませんので、大切なお子さんの将来のことと、生活のことをしっかりと考えた上で選択するようにしましょう。

まとめ

学資保険は子供の将来の選択肢を広げるために大切なもののひとつ。そのため、何としても維持したいという方も多いでしょう。
自己破産になると、まず持続することはできませんが、債務整理や個人再生であれば、解約を免れることのできる可能性は十分にあります。
また、債務整理によって解約することになったとしても、再び加入することはできますので、この点も視野に入れた上で、債務整理の手段を選ぶようにしましょう。
いずれにしても、借金問題をしっかりと解決できなければ、教育にもお金をかけることができません。なので、返済が困難な借金を抱えている場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談し、解決策を探りましょう。